How to install the FreeBSD from the SCSI optical disk ===================================================== Sep 13, 1998 秋山 俊輔 akiyama@jp.FreeBSD.org 1.始めに ---------- FreeBSD 2.2-BETA より、私のインストーラ・パッチがマージされ、標準ディ ストリビューションの状態で光ディスク(MO, PD 他)からのインストールが 可能になりました。 ただし、光ディスクからのインストール方法に関して記述したドキュメント はまだ存在しません。したがって、ここでは、光ディスクからインストールを 行う場合の、従来との相違点他についてポイントをしぼって解説します。 2.インストールの準備 ---------------------- (1) ブート・フロッピーの準備 ブート・フロッピーの準備は、オリジナルのドキュメントを参照してく ださい。最低、boot だけあれば、インストールは可能ですが、万一の ために、fixit の方も作成しておくと良いと思います。 (2) インストール元メディアの準備 インストール元の光ディスク・メディアを用意し、ファイル・システム を構築します。現在、光ディスクからのインストールには、ハードディ スク形式フォーマット、もしくは、スーパー・フロッピー形式フォーマッ トの MS-DOS ファイル・システム、スライス上に作成された UFS、およ び、スライスを使わない UFS が使用可能です。 MS-DOS ファイル・システム の場合は、DOS 上のユーティリティ(例え ば、Adaptec 社の AFDISK.EXE)や 各種 OS のフォーマッタを使用して、 『ハードディスク形式フォーマット』、もしくは、『スーパー・フロッ ピー形式フォーマット』のディスクを作成します。FreeBSD 上からは、 ports/package にある mei を使用すればフォーマットが可能です。 UFS の場合、スライス上に UFS を構築する方法(*1)と、スライスを 使わないでUFS を構築する方法(*2)の二通りが可能です。 *1 の場合、まずスライスの初期化を行ないます。私の場合は、FreeBSD 上で "fdisk -i /dev/rod0" として、以下のようになるように設定して いますが、pfdisk のような DOS 上のユーティリティでも可能だと思い ます。 -- 3.5in 128MB MO の場合の fdisk /dev/rod0 の出力 -- ******* Working on device /dev/rod0 ******* parameters extracted from in-core disklabel are: cylinders=121 heads=64 sectors/track=32 (2048 blks/cyl) parameters to be used for BIOS calculations are: cylinders=121 heads=64 sectors/track=32 (2048 blks/cyl) Media sector size is 512 Warning: BIOS sector numbering starts with sector 1 Information from DOS bootblock is: The data for partition 0 is: The data for partition 1 is: The data for partition 2 is: The data for partition 3 is: sysid 165,(FreeBSD/NetBSD/386BSD) start 32, size 247776 (120 Meg), flag 80 beg: cyl 0/ sector 1/ head 1; end: cyl 120/ sector 32/ head 63 -- 3.5in 230MB MO の場合の fdisk /dev/rod0 の出力 -- ******* Working on device /dev/rod0 ******* parameters extracted from in-core disklabel are: cylinders=217 heads=64 sectors/track=32 (2048 blks/cyl) parameters to be used for BIOS calculations are: cylinders=217 heads=64 sectors/track=32 (2048 blks/cyl) Media sector size is 512 Warning: BIOS sector numbering starts with sector 1 Information from DOS bootblock is: The data for partition 0 is: The data for partition 1 is: The data for partition 2 is: The data for partition 3 is: sysid 165,(FreeBSD/NetBSD/386BSD) start 32, size 444384 (216 Meg), flag 80 beg: cyl 0/ sector 1/ head 1; end: cyl 216/ sector 32/ head 63 スライスの初期化が完了したならば、次はディスク・ラベルを書き込み ます。私の場合は、以下のような disktab エントリを /etc/disktab に追加して使用しました。 mo128sl1|Generic sliced 3.5' 128MB MO disk No.1:\ :dt=SCSI:ty=removable:\ :se#512:nt#64:ns#32:nc#121:su#247776:\ :pa#247776:oa#0:ba#8192:fa#1024:ta=4.2BSD:\ :pb#0:ob#0:tb=swap:\ :pc#247776:oc#0: mo230sl1|Generic sliced 3.5' 230MB MO disk No.1:\ :dt=SCSI:ty=removable:\ :se#512:nt#64:ns#32:nc#217:su#444384:\ :pa#444384:oa#0:ba#8192:fa#1024:ta=4.2BSD:\ :pb#0:ob#0:tb=swap:\ :pc#444384:oc#0: ディスク・ラベルの書き込みが完了後、newfs にてファイル・システム を構築して、メディアの準備は完了です。 *2 の場合は、disklabel + newfs となりますが、詳しくは、拙作 od-driver ディストリビューション内のドキュメントを参照ください。 (3) ディストリビューションのコピー 作成したメディアに、FreeBSD のディストリビューション・セットをコ ピーします。 『ハードディスク形式フォーマット』の MS-DOS ファイル・システムを 使用する場合は、ハードディスク上の DOS パーティションからのイン ストールと同様に、 freebsd -+- bin -+- bin.aa | +- bin.ab | +- bin.ac | . | . +- dict | +- doc | . | . という構造にします。 先頭のディレクトリ名は必ず、"freebsd" にしておかないと、正常にイ ンストールを行なうことができないようですので、注意してください。 『スーパー・フロッピー形式フォーマット』の MS-DOS ファイル・シス テムを使用する場合、および、スライスを使わないで UFS を構築した 場合は、フロッピーからのインストールの場合と同様に、 . -+- bin -+- bin.aa | +- bin.ab | +- bin.ac | . | . +- dict | +- doc | . | . という構造にします。 スライス上に UFS を構築した場合は、『ハードディスク形式フォーマッ ト』の MS-DOS ファイル・システムと同様にします。ただし、この場合、 先頭のディレクトリ名はなんでもかまいません。(わかりやすくするた めに、2.2.7-RELEASE など使用するリリースを同じ名前にしておくと良 いと思います。) 2.2.7-RELEASE -+- bin -+- bin.aa | +- bin.ab | +- bin.ac | . | . +- dict | +- doc | . | . 以上で、光ディスクからのインストールの準備は完了ですが、念のため附属 のドキュメントにも目を通しておくことをおすすめします。 3.インストール時の注意点 -------------------------- ここでは、インストールの際に、従来と異なる点のみを記述します。私の場 合、カスタム・インストールしか行なったことがないのですが、その他の場合 も、同様にできると思います。 共通する項目: (1) インストールに使用する光ディスク・メディアのライト・プロテクトは 外しておきます。ライト・プロテクトが行われていると、メディアのマ ウント時にパニック後リブートしてしまいます。 (2) インストールに使用する光ディスク・メディアは、カーネルが光ディス クが接続されていることを認識する時点で、挿入されていなければなり ません。そのため、光ディスク・メディアは、システムの立ち上げ時、 あるいは、少なくともカーネル・コンフィギュレーションの選択画面が 表示された段階で挿入してください。 (3) インストール完了後、メディアを取り外せ、というメッセージ・パネル が表示されますが、光ディスクに関しては、処理がまずい部分があるの か、メディアをイジェクトすることができないようです。ただし、通常 のケースでは、光ディスクからブートすることはできないので、このま までも問題とはならないと考えられます。 使用するファイル・システムごとの項目: (4) 『ハードディスク形式フォーマット』の MS-DOS ファイル・システムの 光ディスクからインストールを行なう場合 a) 『Partition』メニュー デバイス一覧に、光ディスク・デバイス(od0)があらわれますが、 とくにこれを選択する必要はありません。 b) 『Media』メニュー インストール元の指定は、"4 DOS" を選択します。 MS-DOS ファイル・システムが複数存在する場合は、どのディスクか らインストールするかの選択パネルが表示されるので、od0s? を選 択してください。 (5) 『スーパー・フロッピー形式フォーマット』の MS-DOS ファイル・シス テム/スライスを使用しない UFS の光ディスクからインストールを行 なう場合 a) 『Partition』メニュー デバイス一覧に、光ディスク・デバイス(od0)があらわれますが、 とくにこれを選択する必要はありません。 b) 『Media』メニュー インストール元の指定は、"7 Floppy" を選択します。 どのドライブからインストールするかの選択パネルが表示されるの で、od0 を選択してください。 (6) スライス上に作成した UFS 光ディスクからインストールを行なう場合 a) 『Partition』メニュー デバイス一覧から、od0 も選択します。 ただし、すでにスライス情報やパーティションの設定も済んでいる ものなので、"Q" で、即パーティション・エディタを終了します。 ブート・マネージャの設定は、念のため、"None" を選択しておきま す。 b) 『Label』メニュー 光ディスク上の UFS パーティションは既に最初の段階で表示されて いるはずです。 ここでは、光ディスク上のパーティションに対して、マウント・ポ イントの指定と、newfs の指定を必ず『行なわない』ようにしてお く必要があります。 なお、このマウント・ポイントの情報は後で必要となりますので、 憶えておくか、メモするなりしておいてください。 c) 『Media』メニュー インストール元の指定は、"6 File System" を選択します。 この後、ディストリビューション・セットがおかれているディレク トリを入力するパネルが表示されますので、先程の『Label』メニュー で指定したマウント・ポイント + 準備したメディア上のディレクト リを入力します。 以上の作業が完了していれば、後は『Commit』するだけです。 私のシステムでは、3.5 インチ MO のスライス上に作成した UFS から E-IDE ディスクへのインストールを行った場合(2.2.7-RELEASE で bin + dict + doc + games + info + manpages + proflibs をインストール)、Commit 後、 約 2 分 30 秒でディストリビューションの展開他が完了し、general configuration menu に移行するかどうかのメッセージが現れました。 $Id: HowToInstall.od-J,v 1.10 1998/09/13 12:44:34 akiyama Exp $