(Original: Mon Sep 19 02:01:18 JST 2005)
Last modified: Sun Oct 06 19:06:11 JST 2019

ペケロク(X68000)のページ

復活 X68000

ずいぶん長い間押入れに眠っていた X68000, 世間では, エミュレータの充実, ROM やOS, ソフトの無償公開などにより, 俄かに盛り上がってきました. これに後押しされるように我が家のペケロクも 復活. ここにその経緯を記します.

目次

所有ハード・ソフト

まずは私のペケロクの紹介を.

X68000 関係 所有ハード・ソフト
ハード
本体 X68000 PRO II CZ-653C-BK (シャープ) PRO と PRO II ってエムブレムぐらいしか違わない...
ディスプレイ CZ-603D-BK (シャープ) テレビ機能はありません. 24kHz モードもありません.
拡張メモリ PIO-6BE1-A & PIO-6BE4-4M (IO DATA) 標準の 1M と合わせて 6M.
SCSI ボード CZ-6BS1 (シャープ)
ハードディスク VIP-200C (コニック) ハードディスクには社名が ARKWOOD とある.
ジョイスティック CYBER STICK CZ-8NJ2 (シャープ)
ジョイパッド Joy Card (ARVEL) 型番は不明
ソフト
システム SX-WINDOW ver1.0 / Human68k ver.2.0 PRO II 本体付属
SX-WINDOW ver3.0 / Human68k ver.3.0
SX-WINDOW ver3.1 / Human68k ver.3.0
ゲーム ポピュラス + プロミストランド (イマジニア) FD 各 1 枚. 一番はまりました. 文句なく BEST1.
マスターオブモンスターズ II (システムソフト) FD 3(+1) 枚組. 限定オリジナルシナリオディスク付き. 私の BEST2 です.
SIMCITY (MAXIS/フォア・チューン) FD 1 枚.
LibbleRabble (マイコンソフト/電波新聞社) FD 1 枚. 専用十字パッド付属.
大航海時代 II (光栄) FD 3(+1) 枚組. ユーザディスク付き.
三国志 III (光栄) FD 3 枚組.
KLAX (ハドソン) FD 1 枚.
遥かなるオーガスタ (T&E ソフト) FD 3 枚組.
OVERTAKE (ズーム) FD 6 枚組.
パロディウスだ! (コナミ) FD 2 枚組.
STAR SHIP RENDEZVOUS (スキャップトラスト) FD 2 枚組.
ELLE (エルフ) FD 4 枚組.
LIFE&DEATH (ビング) FD 2 枚組. タケルにて.
スーパー上海 (HOT-B) FD 2 枚組. タケルにて.
書籍 X68000 ログインソフトウェアコンテスト傑作ゲーム選 (アスキー) FD 4 枚付属.
X68k Programming Series X68000 Develop. (ソフトバンク) FD 2 枚付属.
X68000 Free Software Book (ソフトバンク) FD 1 枚付属.
フリーソフトライブラリ X68000 コレクション (秀和) FD 2 枚付属.

お金をケチってありきたりのデザインの PRO II にしたんですが, やっぱりマンハッタンシェイプの機種を選んでいれば良かったと思います. あのデザインは差額以上の価値がありますよね.

エミュレータ起動

今, 使っているエミュレータはこの 2 つです(2001/12/21 現在).

まずはこれらを入手して作業開始です. 実際には, 実機と同じ環境の構築は EX68 で行っています. ゲームで遊ぶときは主に WinX68k を使っています.

ROM/フォント の吸い出し

何故か YAMAMA さんの GETROM.X では BIOS がうまくファイル化 できませんでした. kenjo さんの MAKEROM.X で OK. 無償公開された ROM を使ってもいいんですが, やっぱり愛着のある実機から... BIOS はともかくフォントが違います. Windows のフォントではペケロクの雰囲気が出ません.

Human ではなく UNIX 風に

さてシステムのインストールですが, 純粋な Human68k 環境ではいまいち 物足りません. ここは実機の環境と同じく Itagaki さんの csh ライクな シェル 'FISH' と関連ツール群(ITA-TOOLBOX)を中心に, UNIX 風の環境を 構築します. ディレクトリ構成はこんな感じにしました.

\             ... この下には HUMAN.SYS, config.sys, autoexec.bat があります.
|
|-bin         ... ここには Human68k のコマンド群を置いています.
|                   (COMMAND.X FORMAT.X SWITCH.X, ...)
|-sys         ... ここには Human68k のドライバ群を置いています.
|                   (ASK68K.SYS, FLOAT2.X, HISTORY.X, IOCS.X, ...)
|-etc         ... ここには各種設定ファイルを置いています.
|                   (passwd, startup.env, termcap, ...)
|-usr
|   |
|   |-bin     ... 主に Human68k/FISH 共用のコマンド群を置いています.
|   |               (fish.x, forever.x, less.x, login.x, ng.x, ...)
|   |-sys     ... 主に Human68k/FISH 共用のドライバ群を置いています.
|   |               (execd.x, lndrv.x, twentyone.x, windrv.x, ...)
|   |-lib
|   |
|   |-man
|   |
|   |-src
|   |
|   |-local
|   |   |
|   |   |-bin ... FISH のコマンド群です.
|   |   |          (cat, cp, ln, ls, man, mkdir, passwd.ucb, rm, ...)
|   |   |-src
|   |   |
|   |   |-man
|
|-home
|   |
|   |-root
|   |
|   |-uranov  ... 個人環境のホームディレクトリです.
|                   (.fishrc, .login, ...)
|-tmp

このように MS-DOS 風(Human68k/COMMAND.X) の環境と UNIX 風(FISH) の環境を 切り分けておき, うまく使い分けるようにしています. ポイントは login.x を 使って, 2 つのユーザを登録し(私の場合は root と uranov), 前者でログイン した場合には DOS ベース, 後者では UNIX ベースとなるようにしています.

環境設定

具体的には以下のような /config.sys と /etc/passwd になっています.

[config.sys]
FILES     = 20
BUFFERS   = 40 1024
VERIFY    = off
BREAK     = off
LASTDRIVE = Z:
KEY       = \sys\KEY.SYS
USKCG     = \sys\USKCG.SYS
DEVICE    = \sys\ASK68K.SYS /DA:\usr\lib\ask\X68K.DIC /EA:\usr\lib\ask\ENV1.ASK
DEVICE    = \sys\FLOAT2.X
DEVICE    = \sys\IOCS.X
DEVICE    = \usr\sys\windrv.sys
DEVICE    = \usr\sys\execd.x
DEVICE    = \usr\sys\twentyone.x -CWV +TPSD
PROGRAM   = \usr\sys\lndrv.x
ENVSET    = 2048 \etc\startup.env
SHELL     = \usr\bin\forever.x \usr\bin\login.x

[passwd]
root;--パスワード--;0;0;System Administrator;A:/;A:/bin/COMMAND.X /P /E:2
uranov;--パスワード--;100;100;--私の名前--;A:/home/uranov;A:/usr/bin/fish.x

これで, root でログインした場合には COMMAND.X が立ち上がり /autoexec.bat が 読みこまれます. uranov でログインした場合には fish.x が立ち上がり /etc/fishrc, ~/.fishrc, ~/.login が読みこまれます.

見落としていけないのは twentyone.x の設定です. 21 文字までの long file name 対応, マルチピリオド対応, 大文字小文字の区別など非常に優れ物のソフトなのですが, むやみに使うと, あるはずのファイルが読めなくなってしまい, 悪くすると システムが立ち上がらなくなってしまったりします. 今回の設定でも config.sys で設定した上で .login の中で再設定するなど 苦労しています. 以上, 参考までに関連ファイルを...

>> /config.sys, /etc/startup.env, /autoexec.bat, /etc/fishrc, ~/.fishrc, ~/.login

手放せないソフト

最後に, 利用しているフリーウェアのうち欠かすことのできないものを 挙げておきます.

ゲームで遊ぶ

5.25 インチフロッピー

ネットワークに繋がっていない私のペケロク(実機)とエミュレータ側との ファイルのやり取りは 5.25 インチのフロッピーが主体です. 幸い私の PC 互換機には 5.25 インチドライブが付いていますが, やり取りは簡単とは言えません. ペケロクと PC とでフォーマットが違っており, 苦労させられました.

最終的に上記のようになっていることがわかり, 2HC フォーマットの フロッピーでやり取りすることにしました.

ディスクイメージ

これで多くのプログラムをエミュレータ上に移すことができるように なったんですが, ゲームディスクの場合は勝手が違います. Public Domain のゲームのようにプログラムをを HD に移して 走らせることができるものは問題無いのですが, フロッピーで 立ち上げる必要のあるものはディスクイメージにする必要があります.

ディスクイメージの作成に以下のソフトを使いました.

このソフトは色々なフォーマット(容量)に対応しており, MODE 1.25M で 2HD-J の Read/Write 可能です. デフォルトで拡張子が bin となりますが, これを xdf に変更すれば エミュレータで直接読めます.

まずは Human68k のシステムディスクで試してみたところバッチリです. 次に本命のゲームディスク(ポピュラス)で試したところ... 一見まともにディスクイメージが出来ているようなのですが, まともに動きません.

プロテクト外し

しかし, エミュレータの動作報告を見ると, ポピュラスは動いているようです. 何故? どうやらプロテクトが関係しているようです. どうすりゃいいんだァ? さらにインターネットで調べたところ, ペケロク用のコピーツールで プロテクトを外したコピーディスクを作成し, それをディスクイメージにすれば いいとの事. 最終的に会社の友人からコピーツール(Twin Copy という ヤツでした)を借りて無事にディスクイメージを作成, ゲームが 出来るようになりました. (ポピュラスは現在 458 面まで進行中)

ところで, このフロッピーのやり取りの最中にペケロクの電源が壊れると言う トラブル発生. 詳細は次項で...

トラブル発生

立ち上がらない

さて, ペケロク実機のプログラムやデータを Emulator に移そうと 作業していると, FD の読み出し中に突然お亡くなりに... え? 何? 筐体を空けて様子を見ても, 基板, FD ドライブ共に異常なし. とすると怪しいのは電源か? そういえば以前からペケロクの電源故障の話は頻繁に出ていたような.

電源を外し, 空けてみると中央あたりに黒く焦げている所が... やっぱり! 電源が壊れたんだ.

電源修理

ここでおもむろにインターネットでペケロクの電源故障の記事を 調べてみるとゾロゾロと... みんな苦労しているんだ. 対応としては

のどちらか. 当然前者の方が安くつくんですが, 問題は故障部品の特定と その入手です. 色々苦労しましたが, 最終的に以下の部品の交換で復活しました.

交換部品
C31コンデンサ10V 100μF (耐熱 105°C)
ZD31ツェナーダイオードHZS7B-1L (6.8V)
Q32トランジスタ2SC1815 (東芝)

C31 は交換しなくても良かったかもしれません. 液漏れ気味だったのと これが破裂した記事を見かけたので替えておきました. ツェナーの電圧は なかなか判明しませんでしたが, インターネットで探すうちに電源の 回路図を見つけ判明しました. インターネット様々です.