(Original: Tue Jan 17 23:09:03 JST 2012)
Last modified: Sun Oct 06 19:04:07 JST 2019

シックスダイス

サイコロを 6 つ使って得点を稼ぐゲームです. 海外では Farkle と言うようです. このゲームを教わったのは海外にホームステイした娘からです. しかし, チンチロリンの様にドンブリを使う等, 和風アレンジもされています. このアレンジのおかげで面白さ倍増. 是非挑戦してみてください.

用意するもの

人数

2 人以上

遊び方

親決め
まず各自, 丼の中へサイコロを 1 個振り, 出た目の一番大きな人が親です. 但し, 1 の目は 1 ではなく 10 とみなします. このため一番小さな目は 2, 以下 3, 4, 5, 6, 1 の順番です. 同じめの人が居たら, その人達で振り直します. 二回目以降は前回の試合の勝利者が親となります.
ここで注意が一つ. 勢い余ってサイコロが丼から出てしまった場合でも, 振り直し出来ません. このときの目は 2 よりも小さい 0 となります.
ゲームの得点
ゲームの進め方を説明する前に, サイコロの目で決まる得点を先に説明します. サイコロは 3 つ以上同じ数字が出ると得点になります. 但し, 1 と 5 の目は 例外で, 1 つだけで得点になります. また 6 個で出来る「ニコニコ」, 「ストレート」と言う特別な役があります.
以下に得点表を示します. これがこのゲームの全てです.「ニコニコ」や 「ストレート」の点数は人によって異なる様ですが, 私はこの点数配分が 気に入っています. 特に「ニコニコ」が 2 千点と言うのは 2 が重なっていて 覚えやすい!
[Six Dice Point Table]
ゲームの進行, 基本ルール
まず最初にサイコロを 6 個, 丼の中に振ります. 出た目で得点をチェックし, 得点となるサイコロを丼の外へ取り出します. ここでこのゲームのルールです.
  1. どの得点を有効とするかはプレーヤが選べる.
  2. サイコロを取り出した後, 残ったサイコロでそのラウンドを続けるか, それともそのラウンドをストップするかはプレーヤが選べる.
  3. ストップした場合, そこまでの得点がラウンドの得点となる.
  4. ラウンドを続けた場合, ラウンド内の得点は加算される.
  5. サイコロを振って, 取り出す得点が無ければ「ドボン」. ドボンの場合, そのラウンドの得点はゼロになる.
  6. 6 個全てのサイコロが取り出せた場合, 「振りきり」と呼び, そのラウンドは継続し, 再び 6 個のサイコロでゲームを行う.
  7. 振りきりの時に限りラウンドをストップできない.
ポイントはルール 1 で, どの組合せでサイコロを外に出すかはプレーヤの 自己申告と言う点です. また, ストップを掛けるタイミングも勝負の分かれ目と なります. ストップもしくはドボンになると次の人にプレーが移ります. プレーは 時計回りに行うものとし, 親から一周して次に親の番に戻って来るまでが 1 ラウンドです.
勝敗
ラウンドを重ねて行き, 誰か総得点が 1 万点を越えた時点で「上がり」 となり, そのラウンドの最後の人までプレーして清算します. 参加者全員が 同じラウンド数プレー出来ると言うのが特徴です. 先に上がっても, 同じラウンドで後の人がその点数を越えれば勝者にはなれません.
作戦
ここまでの説明で, 気付かれると思いますが, ゲームを進める作戦は 2 通りあります. 最初振るサイコロは 6 個なのでドボンになる可能性は低いです. サイコロの 数が 5 個, 4 個と減るに従い得点出来る可能性は減って行きます. 振るサイコロが 1 個のみの場合は, 1 か 5 を出さないとダメです. 成功確率は 1/3. 但し, 成功すれば再び 6 個のサイコロが振れます. イチかバチか と言うより 振りきりかドボンか!
一般に残るサイコロが 2 個となったときに振るかどうかが一つの別れ目で, 仲間内では 2 個もしくは 1 個でストップせずに振るのを「ギャンブルに出る」 と呼んでいます.
スタート条件
このゲーム, 参加者全員が堅実路線で進めると盛り上がりに欠けます. そんな事態の回避のためでしょうか, 「スタート」ルールと「ブタ」ルールが 設けられています.
まずは「スタート」ですが, スタート時に限り, 一挙に 1000 点を越えないと ストップできません. 振り切っても 1000 点に届かないことも多々あり, 1000 点に届かないために何ラウンドもスタートできないまま過ぎることも 珍しくありません.
ブタ
もう一つの重要なルールが「ブタ」です.「ブタ」の条件は以下の 3 つ. 特に後者 2 つが純和風で秀逸です.「ブタ」の時は, 以下の規定が適用されます. 初期点がマイナスのときにブタになると更にマイナス 1000 点. 以降これが繰り返されます. 実際に 6 個振ってブタになる事はまれなのですが, 運が悪いと連続して 起きたりします. 初期点がマイナス 2000 点になったりすると, スタートを 切るのは相当難しくなります. もちろんブタの時はその人のそのラウンドは終了です.
清算, ペナルティ
終了時に最も点数が高い人が勝ちです. 同点の場合はラウンドの振り順が 先の人が勝ちです. 最終得点の 100 点台以下を切り捨てた値がゲームの得点です. 勝者の得点との差が負け点で, さらに未スタート者はペナルティとしてこれに マイナス 5 ポイントされます(5000 点分のペナルティです). 勝者は全ての負け点を受け取ります.
例えば 4 人でプレーした場合以下のようになります. (表中の×はペナルティで -5, ○は +5 を表します.) 慣れれば, 最終得点からトータルをすぐに記入 出来るようになります. 本清算は何セットか終わった時点で計算すれば 良いでしょう. 後は麻雀の様に順位点(ウマ)を加える等, 参加者で 工夫してください.
得点例
プレーヤ 1 2 3 4
最終得点 2,650 11,050 7,050 -1,000
勝負得点 2 11 7 ×, -1
トータル -9 ○, +30 -4 ×, -12
本清算 -9 +35 -4 -17

レート

上述の得点例にもある通り, 相手が上がったときにスタートできていない時が 最大失点で, ペナルティを加えると -15 程度になります. と言うことは麻雀の 倍ぐらいのレートでも良いのですが, ゲーム時間は麻雀の半荘の半分以下です. 慣れて来ると, 4 人でも 10 分掛かりません. そんなことから, 麻雀をしているときと同じようなレートをお勧めします.

そんなことを言われたって麻雀をしていないから分からないと言う人は, 1 点 10 丹ぐらいにすると, 1 試合で缶コーヒーのやりとりが出来ます. 1 時間遊んで缶コーヒーのやりとりをするなら 1 点 2 丹ぐらいかな.

ゲーム例

[Six Dice Sample Game]

この例でシックスダイスを理解頂けると思います. 例はあくまでも例なので, この場合はこうしなくてはいけないと言うものでは ありません.

まず 1 ラウンドの 1 投目. 例では 1 のみを取り出して(100 点), 2 投目に 5 個のサイコロを投げていますが, 1 と 5 と 5 を取り出して(200 点), 2 投目に 3 個のサイコロを投げる事も出来ます. しかし, なるべく多くのサイコロを投げた方が高得点が狙える事, 5 のピックアップは 点数が低い事からこのようにしています.

次に 1 ラウンドの 2 投目. 例では 4 のトリプルと 5 を取り出して(450 点), 3 投目に 1 個のサイコロを 投げています. これも 1 投目と同様に 4 のトリプルだけを取り出して(400 点), 3 投目に 2 個のサイコロを振ると言う手もあります. しかし, ここでは振りきりを狙っており, サイコロ 1 個で振り切る確率は 2/6 に対し, 2 個で振り切る確率を計算すると, 1 投で振り切る確率は 4/36, 1 投目で 1 個だけ取り目があり 2 投目で振り切る確率は 16/36 x 2/6. 両者を合わせると 56/216 ~= 1.56/6 でこれは 1 個だけ振って振り切る確率よりも 低い. このために 1 個残しにしています. まあ結局 3 投目に 1 も 5 も出ずに ポシャッてしまいました.

2 ラウンド目では 4 投目に 1 個振りで 5 を出し見事に振りきり. さらに 6 投目で見事 1000 点越えを果たしスタートを切りました. もちろんこの時点でストップです.

3 ラウンド目では 1 投目で 5 のトリプルを出し 500 点. 勢いに乗って 続行したところ, 3 個振って取り目なし. ドボンです.

後は 6 ラウンド目まで良いところ無しです. 6 ラウンド目は残りの 1 個を振って 振りきりを狙うことも出来ますが, そのために 1300 点を賭けるのは勿体無いので ストップです.

ゲームのコツ

このゲームのコツのいくつかは上のゲーム例で書かれています. 全て 5 のシングル取り出しで振り切った場合点数は 300 点, 1 のシングル取り出し の場合は 600 点. この 300 ~ 600 点あたりが振り切りを狙うか続行するかの 1 つの境目です.

また, 振り切りの確率から言えば, 1 個振りの時の 2/6 = 1/3 が一番高く, 2 個振り, 3 個振りと個数が増える程確率は低くなりますが, 多く振った場合は ドボンになる確率は低く, 何らかの点数を獲得してからストップを考えることが 出来ます. このことから考えると 1 〜 3 個振りあたりが振り切りを狙うか 続行するかのもう一つの境目です.

上の例の 3 ラウンド目では 500 点でストップせずにまだ続行したところ, 3 個振って取り目なし. ドボンです. このあたりは人によっては 500 点で 満足してストップするのも手です.

この振りきり狙いとストップとの判断がゲームのコツです. 振り切りの後, 勢いに乗ってニコニコやストレート等の役を出す場合もあります. 逆にせっかく振り切ったのにドボンしてしまう事もあります. 特にニコニコやストレートを出した場合は必然的に振りきりとなるため もう一度振らなくてはなりません. このときにドボンしてしまった時の 悲しさと言ったら...

また, スタートが非常に重要になる事もお分かり頂けると思います. スタート条件の 1000 点を越えた時点でサイコロが 5 個残っていようと ストップすると言う判断も大いにありです. 一旦スタートしておけば 細かく点数を重ねることが出来ますし, たとえブタが出てももう一度 振り出しに戻るだけです. ところが, スタートしていない状態で ブタが出たりするともう悲惨です. マイナス 1000 点となりなかなか 抜け出せません. ニコニコかストレートを出す以外に方法は無いかも...

後はコツと言うより注意です. 丼を使った場合あまり勢い良く投げないように! 丼の中でサイコロ同士がぶつかって飛び出してしまうことがあります. また, お酒などの飲み物を飲みながらゲームをするときには水に注意してください. サイコロが濡れると手に軽くくっついたり, さいころ同士でくっついたりして ブタになる元です.

このシックスダイス, 学生のとき相当やりましたが, 6 個全部揃うのは 1 度しか見たことがありません. (残念ながら出したのは私ではありませんでした) あまりにも珍しいので, そのころルールにはありませんでしたが御祝儀として 参加者全員ペナルティポイントを献上しました. このあたりも決めておくと 良いと思います.

さらに余談ですが, 説明ではまとめてブタと書いていますが, 当時は丼の外に 出ることをションべン, サイコロが重なることをグッチョンと呼んでいました. 後者はウンチのイメージでしょうか. 大きな勝負が賭かった一投に限って 手に汗をかきションベンに... 嗚呼... ... ... では, お楽しみください. あ, 得点表の PDF ファイル も用意しました. ダウンロード & 印刷してお使いください.