(Original: Thu Jan 12 23:58:07 JST 2012)
Last modified: Sun Oct 06 19:03:38 JST 2019

ナイン

サイコロを 2 つ振って, 出た目に従って数字を消して行くゲームです. ここでは ゲーム名をナインとしていますが, 正式な呼び名を知りません. 阿佐田哲也の 『麻雀放浪記 番外編』にも出て来たんですが, そこでも名無し.

用意するもの

人数

2 人以上

遊び方

準備
まず参加者それぞれにトランプの 1 〜 9 を配ります. このとき, 各自同じスーツでそろえた方が見た目が綺麗です. トランプが 1 組の場合, 4 人までしか参加できません. 別のトランプを使えば人数は更に増やせます. 代わりに麻雀牌を使う事も出来ます.
参加者は配られたカードを表向きに(左から) 1 〜 9 の順番に並べます. これで準備完了です.
[Nine (two players)]
親決め
ゲーム初回に限り「親決め」を行います. 各自サイコロを 1 個振り, 出た目の 一番大きな人が親です. 同じめの人が居たら, その人達で振り直します. 二回目以降は前回の試合の勝利者が親となります. ゲームは親から順番に時計回りにサイコロを 2 個振って進めます.
ゲームの進行 - ドボン
サイコロを振って出た目の合計で, 目の前のカードを裏返します. 裏返す条件は 「1 枚もしくは 2 枚のカードの合計が出目の合計と同じ」になることです. 例えば 2 個のサイコロが 1 と 5 の場合, 合計は 6 で, の 3 通りがあり, この中の好きなものを選択します. 裏返すカードは 2 枚までで, 合計が 6 でも 1 と 2 と 3 の 3 枚を一度に裏返すことは出来ません. また, 一度裏返してしまったカードは使えません. ゲームを続けて行くにつれて 裏返ったカードが多くなり, サイコロの値に対し, 裏返す事の出来るカードが 無くなった時点で「ドボン」となり, その人のゲーム終了です.
勝敗
ゲーム終了時点で表向きに残ったカードの合計がその人の点数です. 点数が一番少ない人が勝利者です. 勝利者と自分の点差がそのゲームの 失点となり, 勝利者は参加者の失点を受け取ります. 得点が同じときは, 倍率の高い人(後述)が勝ちです. 得点, 倍率がともに同じときは親からの 振り順で先の人が勝ちです.
上がりボーナス
このゲームのポイントに「倍率」があります. 全てのカードを裏返すことが 出来ると「上がり(あがり)」と言い, 上がりのポーナスとして, その回の得失点が倍になります.
ゾロ目ボーナス
もう一つのポイントがゾロ目です. サイコロを振ってゾロ目(2 つが同じ目)が 出たときは, 通常通り裏返し動作を行うとともに, ボーナスポイント(ゾロ目ポイント)を受け取ります. ボーナスポイントの印として, トランプを使っている場合は, 余ったカード(絵札など)を 1 枚受け取ります. 麻雀牌を使っている場合は 点棒を 1 本受け取ります.
ゾロ目ボーナスの利用 1 - ドボン回避
このボーナスポイントの使い方は 2 通りあます. 一つは「ドボン」の時に このポイントと引き替えに, 1 回「ドボン」を回避できます. つまりレスキュー ポイントとして使えます. 実際には「ドボン」の時にカード(もしくは点棒)を 1 枚返却します.
ゾロ目を出した場合は, ボーナスポイントがもらえるのでその場でドボンに なることはありません. 次回もう一度サイコロを振れます. ゾロ目を出し続けて ドボンを逃れ続けるケースもあります.
ゾロ目ボーナスの利用 2 - 倍率アップ
ボーナスポイントのもう一つは「上がり」ポイントです.「上がり」の時に ボーナスポイントが残っていれば, 1 ポイント毎に得点が倍増されます. もちろん「上がり」の時にゾロ目で上がると上がりボーナスに加え ゾロ目ボーナスがもらえます.
1 ドボン
例外的にボーナスポイントが無駄になるケースがあります.「1 ドボン」と 呼んでいます. 例えば 1 と 6 が残っていて 7 が出れば「上がり」の時に 3 ゾロが出てしまったとします. この場合, 6 を消して 1 が残ります. 更にゾロ目でボーナスポイントももらえるのですが, 残った 1 は 2 個の サイコロで消すことは不可能です. よって 1 だけ残った場合はそこで終了です. いくらゾロ目ボーナスが残っていてもダメです. この例の場合, 6 が消せるのに 6 を消さずにボーナスポイントを消費するのは許されません. 実際のゲームでは誰も「上がり」が出ない事が多いので,「1 ドボン」でも 勝者になることが多いです. また, 敗者になってたとえ倍率が大きくても 基礎失点が 1 なのであまりダメージはありません.

レート

まず, 勝者の最大ボーナスを考えてみます. あるプレーヤが 1 ゾロ(2 消し), 2 ゾロ(4 消し), 3 ゾロ(6 消し), 4 ゾロ(8 消し), 5 ゾロ(1 & 9 消し), 5 ゾロ(3 & 7消し) で最後に 5(例えば 1 と 4)を出して上がる(5 消し)と, ボーナスポイントは上がり + 6 ゾロとなり, 得点は 128 倍になります. これが最大ボーナスです. 『麻雀放浪記 番外編』ではサイの目を自由に操り「5 ゾロを 4 回続けて出して 最後に 5 を出して上がる」と言う話が出て来ます. これも最大ボーナスには 及びませんが凄いです.

次に敗者の方の最悪ケースを考えてみます. プレーヤが 3(1 と 2)を 3 回繰り返して出すと, 1 と 2 と 3 しか消せずに 「ドボン」です. この場合失点は 39 となります. このときに相手がゾロ目 ボーナス付きで上がっていたら... 恐ろしい. ちなみに最悪の失点は 40 です. どんなケースに発生するか考えてみてください.

ここまで悪いケースはなかなか発生しませんが, 運が悪いときには大きな目が出ずに 7, 8, 9 あたりが消せずに残ってしまうことが良くあります. このときにはそれだけで 失点 20 以上になります.

経験的にゲームで上がれる確率は 1/5 〜 1/10 ぐらいです. つまり 10 ゲームやれば 1 , 2 回上がれます. 逆に 8, 9 回は失点します. 失点の平均は 10 点台でしょうか. 上がりの方は経験では 8 倍(上がり + 2 ゾロ)ぐらいがたまに出ます. 10 回 上がるとすれば, そのうち 1 , 2 回はゾロ目ボーナスもつきます.

5 ゲームを 1 セットとした場合, 敗者は大体 50 点ぐらいの負けでしょうか. 相手の上がりと自分の不運が重なると 100 点以上の負けになります. 慣れて来ると 2 人でゲームする場合 1 ゲーム 3 分掛かりません. 1 時間やれば 4 セットぐらい出来, 1 点 1 丹ぐらいでやると 100 丹以上の差が着くと思います. これなら缶コーヒーがおごれるぐらいかな. 運が悪かったときには 1 時間で 1000 点ぐらい負けたことがあります. これは相当運が悪かったときです. このときは 1 点 5 丹ぐらいだったかな... 以上を目安にレートを決めてください. ビールを賭けたければ 1 点 3 丹ぐらいとか...

あ, くれぐれも一勝負の最悪ケース 40 点 x 128 倍 = 5120 点忘れないように. ではゲームを楽しんでください.

ゲーム例

二人で対戦したときの例を書いておきます.

ゲーム例
プレーヤ 1 (スペード) プレーヤ 2 (ハート)
サイコロ 消し ボーナス サイコロ 消し ボーナス
1 6 - 6 3 & 9 3 - 6 9
2 3 - 6 1 & 8 4 - 2 6
3 5 - 4 4 & 5 1 - 6 7
4 2 - 2 - ×○ 6 - 2 8
5 4 - 5 2 & 7 6 - 5 ドボン
6 2 - 5 - ×
7 4 - 2 上がり

画面は 5 回終了時の状態です. スペード側はリーチが掛かっており, 次に合計 6 が出れば上がりです. ハート側は順調に大きな数を消して行ったのですが, そこで 更に大きな数 11 が出てドボンしてしまいました. 10, 11, 12 以外は何が出ても 良かったのに... この後スペード側は 6 回目でボーナスポイントが無くなりますが, 7 回目で見事に合計 6 を出し上がりました. よってプレーヤ 1 と 2 の点差は 15 点で, これが上がりボーナスで 2 倍となりプレーヤ 2 はマイナス 30 点. プレーヤ 1 はプラス 30 点となります.

[Nine (sample game)]

ゲームのコツ

セオリーとしては出来るだけ大きな数から消して行くことです. 例えば運悪く 何回振っても 7 以上が出ない場合は, 8, 9 はどうあがいても消せません.

但し, 常にセオリー通りが良いとも限りません. 上の例のように, 大きな数を 消してしまったためにドボンになることもあります.

1 をいつ消すかもポイントです. 最終局面まで残していると, ゾロ目ボーナスが あっても 1 ドボンになってしまいます. 最終局面の手前で消すのが良いタイミング でしょう. 特にゾロ目ボーナスがあるときは... 後はカンと度胸で GO.