(Original: Wed Jan 25 23:50:11 JST 2012)
Last modified: Sun Oct 06 19:03:11 JST 2019

こいこい

花札と言えば「こいこい」. これしかありません. しかし人によってルールが 微妙に異なります. みなさんと同じように私も自分のルールが一番面白いと 思っています. ただ, ネットで調べても私の遊んでいたルールは特殊なのか 見掛けたことがありません. 絶対に面白いんだけどなあ.

用意するもの

必要なものはもちろん花札 1 組. 元の札は 1 ヵ月 4 枚で 12 ヵ月分の 48 枚. しかし, 私のこいこいは 桐のカス札 3 枚を抜いた 45 枚で遊びます.

[Koi Koi Cards]

この他には得点を記入するための紙と鉛筆を用意ください. 得点表の記入例は 以下の通り. ノートを用意して勝負帳とでも記入しておけばより盛り上がります.

[Koi Koi Points]

月と花を覚えましょう

藤は何月とか覚えなくてもゲームは出来ますが, 覚えた方が何かと便利です. ゲームを繰り返すうちに自然に覚えてしまうと言う話もありますが, 私の無理矢理 語呂合わせを紹介しておきます.

人数

2 人のみ

遊び方

場と文数(もんすう), 倍率
こいこいは, 札の組合せで点数が決まっており, この点数を競って遊ぶゲームです. 一回の勝負をと呼びます. 場は, 一月(場), 二月(場)と言うように月になぞらえられ, 一年分 12 場で 1 セットです.
点数は一文(いちもん), 二文(にもん)と言うように文(もん) で数えます.
さらに様々な条件で倍率が決められ, 最終的に一勝負(一場, いちば)終了時点での 文数に倍率を掛けたものが, その場の得点となります.
倍率は通常 1 倍で, これを平場と呼んでいます. 倍率アップ(x2)の条件は 以下のようになっています. 条件が重なると倍々になって行きます(x4, x8, x16, x32, ...). 得点表がある場合, 一月, 十二月とお互いの誕生月はチェックを 入れておきましょう. 例えば共に一月生まれの場合, 一月にはチェックが 3 つ 入ることになり, しょっぱなから 8 倍の場になります.
親決め
一月場を始める前に「親決め」を行います. お互いに花札をめくって, 月の若い方が親です. 同じ月だったらめくり直します. 以降は勝負に勝った方が親になります.

ここでめくり方に注意.
[Put] [Pick Up] 単純に花札を撒いてめくるような無粋なことを してはいけません.
まず, どちらかが花札を切り揃え, 片手で花札の山を左の絵のように持ち, 相手に差し出します. (通常持ち手は左手です.)
差し出された方は, 右の絵のように(通常右手で)上から適当な部分まで 山をつまみます.
ここで手の甲を返して札を見せるのが(仲間内では)正しいめくり方です.
配り 1 ---「分け」
親は札を配るのですが, トランプのように親が勝手に配り始める事は出来ません. まず親は札を切り揃え, 先程の「めくり」と同じように子に山を差し出します.
子はめくりと同じように山をつまみ, つまんだ山を場に置きます. これが 「分け」です.
親は手に残った山の上から順番に札を配り始めます.
お分かり頂けるように, 山のどの部分から札を配り始めるかは子が決めます. 札を混ぜたのは親, 配り始めを指定したのは子, 両者文句無しです.
ここで 1 ポイント. 「山の先頭から配っても良いよ」と言う時, 子は親が 差し出した山の上を人差指でチョンとつつきます. これを「チョン撞き」と 呼んでいます. かっこ良い動作の一つです.
配り 2 ---「配り」
配る順番も厳密に決まっています. 札は 4 枚づつ扱い, まず最初の 4 枚は 伏せたまま子に配ります. 次の 4 枚は伏せたまま自分に配ります. 次の 4 枚は 表を向けて場に撒きます. つまり子 - 親 - 場の順番です. これをもう一順 繰り返します.
残った札は最初に子が分けた山の上に置きます. 逆に子の山が大きくて, 配る 札が不足した場合は, 親は子の山を手持ちの札の下に継ぎ足します.
これで子 - 親 - 場それぞれに 8 枚づつ配ったことになります. 使用する札は 45 枚ですから, 山札は 21 枚となります.
手札チェック 1 ---「手四」と「ニコニコ」
配りが終わると親子双方手札のチェックをします. まず配られた時点で 出来ている役が 2 つあります. この場合, 役を宣言して手札を広げます. 手札での上がりは倍率が付きません. 1 倍です. 手の内で手四, ニコニコが出来ていても, 上がる上がらないは 自由です. 黙っていて勝負を続けることも可能です. 親子双方に役が出来ていた場合は親の勝ちです.
手札チェック 2 ---「三替え」
手札に同じ月の札が 3 枚あるときは「三替え」 と言って 1 枚札を 交換することが出来ます. やり方は, 「三替え」と宣言して, 同じ 月の札 3 枚を伏せて相手の前に並べます. 相手は 3 枚のうち 1 枚を選び 伏せたままその札の上に場の山を置きます. つまり選ばれた 1 枚が山の一番下に来ます. 宣言側は残った 2 枚を手札に戻し, 山の一番上の札を手札に加えます. これで「三替え」終了です. 三替えは複数回繰り返すことが可能です.
例えば前述の「手四」が出来ていた場合, 上がりを選ばずに, まず 3 枚 で三替えを行い, そこで残った 2 枚と手の 1 枚でもう一度三替えすることが 出来ます.
尚, 三替えした場合, 良い札が山に入ってしまい手には悪い札が 残ってしまう可能性もあります. 三替えするもしないも本人の選択次第です. 場に見えている 8 枚の札も考慮した上で決めましょう.
三替えの順番は子が先と決まっています. 親が三替えを宣言した場合に もし子も三替えしたい場合は, 慌てずに子も三替えを宣言して, 子から 順番に処理してください. 後で三替えに気付いても親が先に三替えを 済ませていたら子の三替えの権利は無くなります.
尚, 三替えの結果, 「手四」や「ニコニコ」が出来た場合も役は有効です.
場札チェック 1 --- 倍率
場札のチェックは簡単です. まず場に出ている役札の数をチェックします. 1 枚あれば倍, 2 枚なら 4 倍, 3 枚で 8 倍, と言うように倍々に増えて行きます. 得点表がある場合は得点表に役札の枚数分チェックを入れておきましょう.
場札チェック 2 ---「場四」「一取り」「桐」
場に同じ月の札が 4 枚揃っている場合は親の物になります. 「場四(ばし)」と 呼んでいます. また, 場に「桐」の札が出ていた場合も親の物になります. 同じ月の札が 3 枚ある場合は, 3 枚を重ねておきます. これは 「一取り(いちどり)」と呼び, 1 枚の札を合わせるだけで 3 枚一括で獲得出来ます. 場札のチェックを行ったら, 場札がお互いにくっつかないように 置いておきましょう. 特に同じ月の札は離して置いておくようにしてください.
開始 1 --- 札を切る
さあこれで準備完了. 親は「行くぞ」と声を掛け, 子は「こい」と応じて ゲームを開始します.
まずは親番で, 親は手の内から 1 枚札を場に出します. 札を 切ると呼んでいます. 札の切り方には「合わせ」と 「捨て」の 2 種類があります.
「合わせ」は, 場に撒かれている札と同じ月の札を切る事で, 札を切る際には 手札を場札に(軽く)ぶつけるようにします. 札が重なってパチンと音がすれば 快感! あ, くれぐれも力を入れ過ぎて札が飛び散ることが無いようにご注意 ください.
「捨て」は, 場に撒かれていない月の札を切る事です. 通常合わせる札が 無いときに仕方無くする行為ですが, 時には作戦で「捨てる」場合もあります.
開始 2 --- 札をめくる
札を切ったら続けて「めくり」です. 場札の一番上の札をめくり, 場に切ります. 手札を切ったときと同じように, 「合わせ」となる場合と「捨て」となる場合が あります.
開始 3 --- 札を並べる
めくりが終わったら, 「合わせ」が成立した札を自分の目の前に並べます. このとき, 役札, 動物札, 短冊札, カス札に分類して並べてください.
開始 4 --- 役の確認
並べた札で役の確認をします. 役が出来ていたらプレーヤは 「こい」と宣言し勝負を継続するか, 「やめ」と宣言し勝負を終えるかを選びます. 「やめ」の場合はプレーヤの文数を集計し場を終了します. 相手方は 何文出来ていようと無得点です. 「こい」の場合は, 場の倍率を上げてゲームを継続します. 得点表がある場合は得点表に「こい」の回数が分かるようにチェックを 追加しましょう.
役が出来ていない場合と「こい」の場合は, 相手の手番となりゲームが 継続します. 同じように「切る」「めくる」「並べる」「役確認」の 順番でゲームを進めます.
勝負が長引いた場合, 最大で親子それぞれ 8 回の手番を行います. 1 回の手番で 1 枚山札がめくられるので, 16 枚の山札がめくられる 事になります. 前述の通りゲーム開始時に山札は 21 枚あるので, 16 枚 めくると山札は 5 枚残ります. この 5 枚を確認する癖をつけて おきましょう.
合わせの例外 ---「桐」
ここで「桐」の札について説明します. 冒頭の札の説明の通り, 私のこいこいでは桐のカス札 3 枚を使いません. このため,「桐」の札 (桐と鳳凰の札)は合わせることが出来ません. ではどうするか...
「桐」の札は単独で切っただけで合わせたことになり自分のものになります. 手札から切ったときだけでなく, めくったときも同様です. 最初から場に あった場合は親のものとするのは前に説明した通りです.

私のこいこいでは, 桐の札は常にカス札とセットになっていると考えてください. このため単独で合わせが成立したことになります. また, 後述の化け札として 通常の「菊に杯(さかづき)」に加え, 「桐」も同様に扱われているのも このような理由だとお考えください.

私のこいこいで採用されている役の一覧を御覧ください.
[Koi Koi Hands]
役の注意
役についての注意を挙げておきます.
雨流れ
月見, 花見, 月花見が成立した後, 「雨(柳に小野通風)」の札を取ると 「雨流れ」と呼び, 自動的に相手の役となります. 文数は月見, 花見, 月花見 を含んだ自分の獲得文数です. 場の倍率も有効です. これによって大逆転も あり得ます. 成立条件は厳しく, 先に月見, 花見, 月花見が成立した後 小野通風です. 先に雨で後で月見, 花見, 月花見の場合は雨流れになりません. 手札を切った時点花見が成立し, 同順のめくり札で小野通風を獲得した場合は 雨流れが成立します.
通常, 雨流れで権利が与えられたプレーヤは「やめ」を宣言して相手の点数を 受け取りますが, 自分自身のの得点が良い時などは「こい」を宣言してゲームを 継続することが出来ます. この場合, 月花見の役は無効となり, どちらの プレーヤにも加算されません.
月見, 花見は 2 枚だけで役が付くため「こい」を掛けて倍率を上げるのにも 非常に有効なのですが, この雨流れルールがあるために逆転することもあり ゲームを面白くしています. 弱気な人は, この後もっと点数を積み上げられる 可能性があるにもかかわらず雨流れを恐れて「やめ」てしまったりします.
ペナルティ, 罰則
後, 細かい話ですが仲間内で遊ぶときには罰則を決めています. 罰は倍率に関係なく 5 文とし, 罰が発生した場は「やり直すか」 「続行するか」は相手が決めます. 以下に罰のリストを挙げます. 慣れるまでは配りに関係するミスがちょくちょく出ます. コイコイは山を 作った時点で札の前後関係は動かない, 山を分けた時点で更に開始地点も 決まる. 後は札の順序を推理しながら楽しむゲームです. おかしなミスによって その関係が変更されてはいけません.

レート

一年 12 場を戦うと, 中に 1 回, 2 回は 100 文を越える大勝負の月が出て来ます. 大体, この大勝負がトータルの勝敗を左右します. と言うことで, 目安としては 1 年で 100 文から 200 文程度の勝ち負けが出ます. レートを 1 文 1 丹とすると 缶コーヒーがやりとりできる程度です.
時々, 運が偏り札を一人占めしてしまうような状況が発生します. この時は 文数が大きくなるだけでなく, 当然コイも何度も掛けられる為, 倍率も大きくなります. その結果 1000 文を越えたりします. あまりレートを高くすると思わぬ勝ち負けに なったりするのでご注意を.

ゲーム例

ゲーム開始時と 6 順終了時の例です.

[Koi Koi Game Sample1]
[Koi Koi Game Sample 2]

子は桜を引き, 花見が成立. 「こい」をしました.
親が狙えそうなのはタネかカスです. タネは場に牡丹(蝶)が出ていますが, 残りの 3 枚の場札(梅, 菊, 柳)の 動物札は全て既に出ているのですぐに役が付くことはなさそうです. カスは後 3 枚ですが, 今のところ場にカスが出ていないのでこちらも大丈夫そうです.
それに対し子自身は, 短冊は後一枚で役が付き, 桐を引けば雨四光, さらに猪鹿蝶, 青短, 赤短の可能性もまだ残っています. ここはゲームを続けて, 8 倍場に 1 コイを加えて 16 倍場とするしかありません. うまくすれば次順に もう 1 回コイが掛けれるかも知れません.

ゲームのコツ

何と言っても, コイを何度も掛けての大勝ちを狙うのが勝負のコツです. コイを数多く掛けるには月見, 花見がポイントとなります. うまくすれば 1 順目からコイを掛ける事も出来ます.

後, カスを集めることも有効です. 文数自体は高くありませんが, 一旦 10 枚 集めて役が付けば, 以降毎順コイを掛ける事が可能です. 菊に杯の札は月見, 花見に使うだけでなく, カスとしても使えると言う強力な札です. 人によっては 役札よりも重要視します.

この他ゲームの格言として仲間内では「めくりに合わせろ」と言います. 以前から場に出ている札と, 相手がめくって出て来たばかりの札を比べるなら, 出て来たばかりの札を取っておいた方が良いと言う意味です. 以前から場に出ている札は, (場に出たばかりの札に比べて) 相手が合わせる札を持っていない可能性が高いです. 相手の合わせる札を 無くしてしまい, 「捨て」しか無くなるように追い込むのも 重要な戦略です.

後, ゲームがお互いに 8 順目まで進んだ場合, 最終的に山に残る札は 5 枚 だけです. 終盤になって来るとほとんどの札が晒されている訳ですから ある程度相手の持ち札が予想できます. 特に三替えが発生した場合, 自分が三替えしたのなら, 山の札が 1 枚分かりますし, 相手が三替えした場合でも, 相手は持ち札にその月の札 2 枚が残っています. このことから三替えの対象となった月が予想しやすくなります. 山の札が予想できると, 当然めくりの札もある程度予想出来るようになり, 捨て札にめくりで合わせる事が起こりやすくなります.

すごく運の要素が強いバクチの様に見られますが, 結構頭を使うゲームです. 特に自分の手が悪いとき, 意図的に雨流れを起こさせる時なんかは相当頭を使います. その作戦が見事にはまったときの気持の良さと言ったら! お楽しみください.

おまけに club nintendo でもらった花札の一部をお見せします. 可愛いんですが, 猪鹿蝶なんて凄く分かりづらい...

[club nintendo's hana fuda]